この前の評価の時期に整理した内容。少し遅くなってしまったが書いてみた。
評価について、特にメルカリでは360度評価的に近いPeer Reviewも実施している。その際にもValueに基づいてFeedBackするのがベースになっており、Valueについて改めて考える機会と言える。
というわけで自分なりのValueの考え方を整理してみた。
3つのValue
おさらいだけど、メルカリのValueは以下の3つ
- Go Bold(大胆にやろう)
- All for One(全ては成功のために)
- Be Professional(プロフェッショナルであれ)
実はこれ以上の説明はない。各Valueについて敢えて細かく具体的な整理をしないのは経営の意図したものだ。
各人が各Valueはどういうものなのか考え・議論し、体現していくことによって会社のアウトプットに繋がる。
というわけで自分なりに考えてみるが、自分の中でのポイントは
「それぞれのValueの関連性はじゃんけんみたいなものである」
ということだ。
Go Bold or not ?
たまに聞かれる事として、「GoBoldかどうかの定義が欲しい、でないと他人にGoBoldか否かを伝えられない」とかがある。 これに対しては、各Valueはそれ単体で Yes/No という見方をするものではないと思っている。 もし各Valueの定義がありそれに沿って伝えるのであれば、例えば「あなたはGoBoldじゃない」という使い方をするということになる。しかし、それを伝えたとしてその人のためになるか?そうは思わない。是正という形でその人のアクションが狭まるだけである。 じゃんけんみたいと言ったのは、
- Go Boldが過ぎれば Too Boldに
- All for Oneが過ぎれば 主体性のなさに
- Be Professionalが過ぎれば 固執した動きに
それぞれ繋がってしまう脆弱さが各Valueにはある。 Go Boldと言って無茶な事をするのは良くない。良くない事をどう計るかで言うと、「それはAll for Oneなのか?」という軸になる。大胆な行動は成功のために行うべきでそれを見過ごしてしまわないように「All for Oneを意識しましょう」と伝えられる。
「GoBoldじゃない」
と言って相手の行動を制限するのではなく、
「All for Oneを意識しましょう」
と言ってBoldさをより良く伸ばしてあげる方が相手のためになるハズである。
All for One
All for Oneを意識しすぎると、主体性がなくなったり、思考停止してしまいがちである。「(成功のために|皆のために)これを (している|しなければならない) んだ!」という考えや行動は一見立派だが、それが偏りすぎると相手への強い押し付けになったり、あるいは自身のアクションが凝り固まってしまう。 そんな時にBe Professionalを意識すると、「この仕事は本当に依頼すべきなのか?自分でもっとできることはないのか?」だったり、「自分が持っているこのタスクは実は捨てられるのではないか?」という気付きだったりが生まれると思う。
Be Professional
Be Professionalはエンジニアとしてやはり頭に入ってきやすい。だからこそ日々考えていく必要がある。
誰しもクラス設計について延々と悩んだり、テストカバレッジをひたすら上げまくる、ということをやったことがあるはず。アーキテクチャの拡張性や保守性を考えれば考える程設計に悩み、テストを増やし、というアクションに走りがちである。そしてきっと多くの人が、それでも考慮しきれない変更ケースや未知のバグにぶち当たったと思う。結局完璧なものなど作れないのは仕方なく、それを追い求めるのはToo Professionalだと思う。
そんな時に「もっとGo Boldに」と言ってもらえることで、開発はあくまで手段であること、リスクテイクの判断、そして何よりビジネスやお客様の重要性を思い出せるようになる。
ループではなく、スパイラル
こんな感じで話はGo Boldに戻ってくる。これは無限ループではなく、スパイラルである。 これらを繰り返しながら「新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを作る」というミッションに取り組んでいくのがValueの意味だと思う。
もっと明確に定義すべきではないか?の話に戻ると、そもそも多様な人材がいる中で、各人にとって基準が違うのは当たり前で、エンジニアがやる開発ひとつとってもPMから見たらBe Professionalになるかもしれないし、同じものを他のエンジニアが見た時に技術的にもっとGo Boldにできるのではと見えるかもしれない。どちらも正しいし、どちらを伝えるのもその人のためになるだろうと思っている。
上記はあくまで個人的の見解です
なんか会社に書かされていると思われそうな内容だけど、上記全て個人の見解で、本音ベースで言うなら本当に良くできてるなーと思う。 他の人も言っていたが、メルカリのValueを参考にする、というかValueを考えるとメルカリっぽくなってしまう会社は実際にあるらしいが、それも無理もないだろうと思うくらい良くできていると思う。実際俺が将来どこかの会社に行く時には、このValueと比較して会社を選ぶだろうなと思う。
まとめ
そんなValueを経営陣は本気で議論していて、変わる可能性すらあり得る。それすらもまたGo Boldだし、All for Oneで、Be Professionalに変えていくのだろう。
さて、外部に向けてこんな記事を書いてみたが、これがValueに沿ってどう捉えられるのかもまた興味深い。人によって意見は違うだろうが、その意見もまた俺のためになるものだと思う。
最後に、こんな感じでValueについて議論し合えるEngineering Managerを大募集しているので、ぜひよろしくお願いします。
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